2025.08.01

おりものは何歳から始まる?年齢と変化の目安を解説【産婦人科専門医監修】

この記事は産婦人科専門医による監修のもとお届けします

ひよりレディースクリニック福岡博多

院長 橋田 修(はしだ おさむ)医師

  • 日本産科婦人科学会専門医・母体保護法指定医

おりものとは?生理とは違うの?

「おりもの」とは、子宮や膣から分泌される粘液のことで、医学的には「帯下(たいげ)」と呼ばれます。
女性の身体に日常的に見られる自然な現象であり、膣内を守る・妊娠を助けるなど、健康を支えるさまざまな役割を担っています。
おりものの量や色、におい、粘り気は、月経周期や年齢、ホルモンバランス、体調によって変化するのが特徴です。この変化には意味があり、身体からの大切なサインとして捉えることができます。

おりものの役割

おりものは、膣内にうるおいを与えながら、細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きをしています。膣内を弱酸性に保つことで、病原菌の繁殖を防ぎ、清潔な状態を維持します。
また、おりものは排卵のタイミングとも深く関係しています。
排卵が近づくと、おりものの量が増え、透明でとろみのある状態になることが特徴です。これは、精子が子宮の奥までスムーズに進めるようサポートするためで、妊娠に向けた身体の自然な準備の一つといえます。

生理との違い

おりものと生理は、どちらも膣からの分泌物ですが、その成分や目的はまったく異なります。

おりもの
主に膣や子宮頸部から分泌される粘液で、膣内の潤いを保ち、外からの病原体の侵入を防ぐ役割があります。排卵期には、精子の通過を助ける働きも担います。通常、色は透明〜 白っぽく、においはほとんどありません。

生理(月経)
子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外へ排出される現象です。妊娠が成立しなかったときに起こる周期的な変化で、血液を含むため赤みを帯びた出血として現れます。

このように、おりものと生理は一見似ているようでいて、それぞれの目的や起こるタイミングにははっきりとした違いがあります。

おりものは何歳から始まるのか

【結論】平均は8〜13歳ごろ。早いお子さんでは小学校低学年頃からも。

おりものが気になり始める平均的な年齢は、8歳から13歳ごろです。
個人差が大きく、早いお子さんでは小学校低学年から見られることもあります。 「おりもの 小学生」と検索される機会が多いことからもわかるように、小学生でおりものがあること は、決して珍しいことではありません。
多くの場合、おりものは初経(初めての生理)の約1〜2年前から見られることが多いです。おりものが気になり始めたら、まもなく初経が来るサインだと考えても良いでしょう。

なお、例外的に、2〜6歳ごろのお子さんでも「おりもののような分泌物」が見られることがあります。これは性ホルモンによる分泌ではなく、不適切な清潔習慣(たとえば排便後に前から後ろへ拭いているなど)や、外陰部への石けん・洗剤の刺激が原因で、膣や外陰部が炎症を起こして分泌物が出ることがあるためです。
このような場合は、まず清潔習慣を見直し、必要に応じて小児科で相談されるとよいでしょう。
(参考:Vulvovaginal Pruritus or Vaginal Discharge in Children

小学生や中学生でも、おりものは見られるもの?

おりものは、思春期に向けて身体が成長していく中で自然に見られる生理的な変化のひとつです。

後述するその他の症状がなければ、心配しすぎる必要はありません。成長のサインとして、温かく見守っていただければと思います。

小学生の場合

小学生高学年ごろから、おりものが見られることは珍しくありません。

この時期はまだ女性ホルモンの分泌が不安定なため、おりものの量はごく少なく、色は透明〜白っぽいことが多いです。排卵が始まっていないこともあり、毎日出るわけではなく、出たり出なかったりすることも特徴です。

初めてのおりものに戸惑うお子さんも多いため、保護者の方が「それは成長の一部なんだよ」と伝えてあげると、お子さんの安心につながります。

中学生の場合

中学生になると、思春期の進行とともに女性ホルモンの分泌がより活発になります。 排卵をともなう周期が整ってくると、おりものの量も増え、排卵期にはとろみのある透明〜乳白色のおりものが見られるようになります。

「下着におりものがつく日が続く」「おりものが気になる日が多くなる」と感じることがありますが、これは思春期にともなう自然な変化です。

色・臭い・かゆみがあれば受診を検討

通常のおりものは、透明〜白っぽい色で、ほとんどにおいはありません。 次のような変化がある場合には、膣や外陰部にトラブルが起きている可能性があります。一度婦人科や小児科で相談されることをおすすめします。

 色の変化  黄色、緑色、茶色、灰色など、いつもと異なる色が見られる
 においの変化   生臭さや、きつい酸っぱいにおいがある 
 不快な症状   かゆみ、ヒリヒリ感、赤み、腫れなどがある 
 おりものの量や状態   急に増えた、粘り気の強い塊が出る など 

これらの症状は、「膣炎」や「細菌・真菌による感染症」が原因のこともあります。 自己判断で市販薬などを使わず、医療機関で適切な診察と治療を受けることで、早めに改善できるケースがほとんどです。

おりものの変化はからだのサイン

成長のステップとしてのおりもの

おりものは、女の子の身体が子どもから大人へと少しずつ変化していく過程であらわれる、ごく自然な生理現象のひとつです。
目に見える変化ではありませんが、これは身体の中で女性ホルモン(エストロゲン)が少しずつ分泌され始めているサインでもあります。

このような変化は、ある日突然起こるのではなく、時間をかけてゆっくりと進んでいくものです。身長が伸びるなど、身体の変化と同じように、おりものもまた「思春期のはじまり」を知らせてくれる 大切なメッセージです。
保護者の方にとっても、お子さまの身体が静かに変化していく兆しに気づける機会となるかもしれません。

排卵のある周期への移行

おりものの量や状態は、身体の成長とともに少しずつ変化していきます。 思春期のはじめの頃は、ホルモン分泌がまだ不安定なため、おりものも不規則で、量が少なかったり、出たり出なかったりを繰り返すことが多いでしょう。
しかし、身体の成熟が進み、排卵が安定して起こるようになると、月経周期に連動して、おりものにも明確な変化が現れるようになります。

特に排卵期には、おりものが増えて、透明で糸を引くように伸びやすい状態になるのが特徴です。これは、受精の可能性がある時期に精子が子宮内へ到達しやすいようにする、身体の自然 な働きによるものです。

生理が近づいているサイン

おりものが見られるようになることは、初経(はじめての生理)が近づいているサインであることも少なくありません。
生理とは、身体が「妊娠できる状態に近づいた」という変化を示すものですが、その前段階として、おりものが分泌され始めるのは、身体が少しずつ準備を整えている証拠です。

また、生理が近づくと、おりものの量が減ったり、白く濁ったような状態に変化することがあります。
このような変化に気づくことで、「そろそろ生理が来るかもしれない」と、本人が前もって心の準備をすることができます。

おりものシートは使ってもいいの?

おりものシートは、小学生や中学生でも使って問題ありません。

おりものが気になり始めたとき、下着の汚れやムレによる不快感を少しでも減らしたいと感じることは自然なことです。
そんなときに役立つのが「おりものシート」です。

おりものシートは、下着の汚れを防ぐだけでなく、おりものによる不快感やにおいの対策にもなり、学校生活や習いごともより快適に過ごせるサポートアイテムです。

ただし、長時間つけっぱなしにせず、こまめに取りかえることや、通気性のよい素材を選ぶことが大切です。肌トラブルを防ぐためにも、適切な使い方を心がけましょう。

おりものシートを使うときの注意点

長時間つけっぱなしにしない
長時間同じシートを使い続けると、ムレや細菌の繁殖につながり、かゆみやかぶれの原因になることがあります。2〜3時間ごとを目安に、こまめに交換するようにしましょう。

通気性のよい素材を選ぶ
肌に直接触れるものだからこそ、綿素材や通気性に優れた製品を選ぶことが大切です。

肌トラブルに気づいたら、無理に使い続けない
かゆみ・赤み・ヒリヒリ感などがあれば、すぐに使用を中止し、必要に応じて皮膚科や婦人科で相談しましょう。肌が敏感な時期でもあるため、違和感があれば無理をしないことが大切です。

おりものに戸惑う子どもへのサポートとは

おりものが気になりはじめる時期は、身体だけでなく、心にもさまざまな変化が訪れるタイミングです。初めての経験に戸惑ったり、「自分だけおかしいのかな」と不安になったりするお子さんも少なくありません。

だからこそ、保護者の理解と関わりがとても大切です。

保護者ができるサポート

お子さんが「なんとなく恥ずかしい」「言い出しにくい」と感じやすい話題だからこそ、保護者の方から自然に寄り添ってあげることが大切です。

以下のようなサポートが、お子さんの安心につながります。

● 安心できる声かけ
「みんなにあることだよ」「身体がちゃんと成長しているサインだよ」といった言葉で、自然なこととして受け止められるよう伝えてみてはいかがでしょうか。
否定やからかいはせず、恥ずかしさや不安な気持ちに寄り添いながら、やさしく受け止める姿勢が大切です。

● 正しい知識の提供
おりものの役割や生理との違い、身体の変化の意味などは、お子さんの年齢や理解度に合わせて、わかりやすい言葉で伝えてあげることが大切です。
正しい知識があることで、お子さん自身も「自分の身体を知ること」への前向きな気持ちが育まれます。

● 受診のタイミングを見極める
色やにおいの変化、かゆみ、ヒリヒリ感、血が混じるといった症状がある場合は、婦人科の受診が必要になることもあります。
「少しでも気になることがあれば、病院で相談していいんだよ」と、気軽に相談できる環境づくりを心がけましょう。

医療機関での相談は恥ずかしくないことを伝える

医療機関を受診することに抵抗を感じるお子さんもいらっしゃるかもしれません。 しかし、おりものや生理の変化は、身体の健康を守るうえで大切なサインであり、それを相談する ことはごく自然で大切なことです。
「病院は、困ったときに身体のことを安心して相談できる場所だよ」
「何かあったときは、一緒に行こうね」
そんな一言があるだけで、お子さんはきっと安心して、受診を前向きに受け入れられるようになります。大切なのは、「ひとりで悩まなくていい」というメッセージを、日頃からそっと伝えておくことです。

おりものは、自分の身体と向き合うきっかけに

おりものは、女の子の身体が成長していく過程であらわれる、大切な変化のひとつです。 最初は戸惑いや不安を感じることがあっても、それは身体からの自然なサインであり、決して異常なものではありません。

お子さま自身が自分の身体のリズムを知り、変化を前向きに受け止められるよう、正しい知識とあたたかなサポートが必要です。
保護者のやさしい声かけや、理解ある関わりが、安心感につながります。

また、気になる症状があるときは、ひとりで抱え込まず、専門の医療機関で相談してみることも、「自分を大切にするための大事な一歩」です。

おりものをきっかけに、自分の身体とやさしく向き合う機会が育まれていくことを願っています。

もっと自由に、もっと快適に、もっと、自分らしく。

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院長 橋田 修 医師によるコラムをお届けしました。

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