

経血量は「見た目」でわかる?ナプキンでセルフチェックする方法
「私の経血量って多いのかな?」「これって普通なの?」
生理のたびに、そんなふうに感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、経血量を正確に測るのは、医療機関であっても難しいことです。
ただし、普段お使いのナプキンの様子を少し意識して見ることで、「いつもと比べて多いのか少な いのか」「受診の目安になるような変化があるか」といったヒントを得ることができます。
大切なのは、誰かと比べるのではなく、“ご自身のいつも”を基準にすることです。 こちらでは、ナプキンから経血量のおおよその目安を把握するポイントと、注意が必要なサインに ついて、わかりやすくご紹介します。
ナプキンで経血量を把握する3つのチェックポイント
普段何気なく交換しているナプキンも、少し意識を向けるだけで、体調の変化に気づくための大切な手がかりになります。
1.ナプキンの交換頻度
「最近、ナプキンを替える回数が増えた気がする」そんな変化はありませんか? たとえば、多い日用のナプキンが1〜2時間もたずに吸収しきれず、頻繁に交換が必要な状態が 続いている場合、経血量が多くなっている可能性があります。
特に、夜用ナプキンでも漏れてしまうような場合は、過多月経(かたげっけい)のサインであることも。
もちろん、日によって経血量に波があるのは自然なことですが、「多い日が何日も続く」「日常生 活に支障が出ている」と感じる場合は、婦人科で一度相談してみることをおすすめします。
2.経血の広がり方と吸収状態
ナプキンを交換するとき、どの程度経血を吸収しているか、少し観察してみましょう。
ナプキンの吸収体全体が経血でひたひたになっていたり、端の方まで広がっている場合は、ナプキンの吸収量を超えているサインです。
一方で、まだ吸収体の大部分が乾いているようであれば、経血量はそれほど多くないと考えられます。
経血が一方向に偏って広がっている場合や、部分的にドロッとした塊がある場合も、経血の性状の変化に気づくきっかけになります。
こうした小さな観察の積み重ねが、身体のリズムや変化を知るヒントになります。
3.モレの有無
気をつけていても、日中に下着まで経血がモレてしまったり、夜用ナプキンを使っていても朝に シーツが汚れていることはありませんか?
これが一周期に何度も起きている場合や、以前はなかったのに最近頻発しているという場合は、ナプキンの吸収量を超える経血が出ている可能性があります。
また、モレがあると「ナプキンのサイズが合っていないのかも?」と感じる方もいらっしゃいますが、サイズや付け方に問題がないのにモレてしまう場合は、経血量そのものが増加している可能性があります。
経血量の変化は、女性ホルモンのバランスや子宮の状態と密接に関係しています。
「なんとなく違和感があるな」と感じたら、ナプキンの様子もひとつの情報として、ぜひ婦人科の受診時にお伝えください。
経血量の目安は1回の生理で20〜140ml
生理の際に体外へ排出される経血の量は、医学的には一周期あたり20〜140ml程度が正常の範囲とされています。
この数値はあくまで医学的な目安のひとつであり、この範囲を外れていても、すぐに“異常”と判断されるわけではありません。というのも、経血の出方には大きな個人差があるためです。
たとえば、ある方は「一度にドバっと出る」タイプかもしれませんし、別の方は「時間をかけて少し ずつ出る」タイプかもしれません。排出のタイミングや体勢によっても変わるため、「ドバっと出た =量が多すぎる」とは言い切れないのです。
だからこそ、一番大切なのは、ご自身の「ふだんの生理の様子」を知っておくことです。 「今回、ちょっと量が多い気がするな」「色がいつもと違うかも」そんな小さな変化に気づけること が、体調管理の第一歩になります。
その“いつもとの違い”を見つけやすくするために、
・生理周期
・経血の量や色
・ナプキンの交換頻度
・レバー状の血の塊の有無や大きさ
などを、手帳やスマートフォンのアプリに記録しておくことをおすすめします。
このような記録は、婦人科を受診する際にも役立ちます。
ご自身の体の状態を正確に伝えることができ、医師の診断やアドバイスにもつながりやすくなります。
多い・少ない経血の見分け方|ナプキンの様子からわかるサイン
こちらでは、ナプキンの状態からわかる“経血量のサイン”について、いくつかの目安をご紹介します。
「経血量が多いかも?」と感じるときのサイン
次のような状態が続く場合、「過多月経(かたげっけい)」の可能性があります。
過多月経とは、経血量が多く、日常生活に支障をきたすような状態を指します。
・昼間でも、多い日用ナプキンが1〜2時間しかもたない
・夜用ナプキンを使用していても朝までに吸収しきれず、下着やシーツが汚れてしまうことが頻繁にある
・親指の第一関節よりも大きな、レバーのような血の塊がいくつも出る
これらの症状が毎回のように見られる場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症など、婦人科疾患が隠れていることもあります。ご不安な場合は、一度婦人科でご相談いただくことをおすすめします。
「経血量が少ないかも?」と感じるときのサイン
反対に、経血量が極端に少ないと感じる場合も、身体からのサインかもしれません。
・生理が始まったと思っても、ごく少量で終わってしまい、2日以上ほとんどナプキンが汚れない
・おりものシートや軽い日用のナプキンだけで、全期間を過ごせてしまう
このような状態が続くときは、ホルモンバランスの乱れや排卵異常、または更年期の初期症状などが関係していることもあります。
または、妊娠超初期症状の「着床出血」である可能性も否定できません。妊娠の可能性がある方は、生理予定日から一週間後を目安に、妊娠検査薬で確認してみることをおすすめします。
ナプキンの吸収量からわかること
ナプキンには、それぞれ吸収できる経血量の目安があります。
・吸収体にポリマーを使用した昼用ナプキン:20~30ml前後
・吸収体にポリマーを使用した夜用ナプキン:60~80ml前後
・吸収体にポリマーを不使用のナプキン:20~40ml前後
吸収体にポリマーを使用しているかいないかでも大きく吸収量は左右されますが、もし、「短時間でナプキンが吸収しきれない」「ナプキンがすぐにいっぱいになってしまう」といった状態が毎周期のように見られる場合は、経血量が多くなっている可能性があります。また、「ナプキンの吸収量とご自身の体感」を合わせて記録しておくと、変化に気づきやすくなり、婦人科での受診の際にも参考になります。
経血量に変化があるとき、どんな病気が考えられる?
生理の経血量は、ホルモンバランスやストレス、生活環境の変化など、一時的な要因で増減することもあります。ただし、中には婦人科の病気が関係している場合もあるため、「いつもと違う」と感じたときは注意が必要です。
こちらでは、経血量の変化に関連して考えられる主な病気について、産婦人科医の視点からわかりやすく解説します。
※あくまでも参考としてご覧いただき、ご自身の体調に不安があるときは、早めに婦人科を受診されることをおすすめします。
経血量が「多い」と感じる場合に考えられる病気
経血が非常に多く、一回の生理で140mlを超えるような状態や、ナプキンが頻繁に吸収しきれない、日常生活に支障が出るほどの出血がある場合、「過多月経(かたげっけい)」と呼ばれます。以下のような婦人科疾患が関係していることがあります。
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶ)で、よく見られる疾患です。
筋腫の位置や大きさによっては、子宮内腔を圧迫したり変形させることで、経血量が増える原因になります。
特に注意が必要なのが「粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)」と呼ばれるタイプ。これは子宮の内側(子宮内膜)に向かって飛び出す筋腫で、小さくても過多月経や不正出血を引き起こしやすい特徴があります。
子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)
子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉層の中に入り込んでしまう病気で、とくに40代に多く見られます。
子宮が硬く大きくなることで子宮の収縮力が低下し、経血がうまく排出されずに溜まりがちになるため、出血量が増加します。
また、激しい生理痛や腰痛、経血にレバー状の血の塊が混じるといった症状を伴うことも多く、過多月経の原因としてよくみられる病気の一つです。
子宮にできるポリープ
子宮内膜の一部がきのこ状に盛り上がった状態でできる良性のポリープです。 ポリープ自体に血管が多く通っているため、刺激により、出血しやすくなる傾向があります。 通常の生理出血に加えて、ポリープからの出血が重なることで、経血量が増えたり、不正出血が起こったりすることがあります。
子宮内膜増殖症
子宮内膜が必要以上に厚くなってしまう病気で、特にエストロゲンの過剰な影響が原因になることが多いです。
本来、生理周期に合わせて厚みを増す子宮内膜は、排卵後に黄体ホルモンの働きで剥がれ落ちます。
しかし、ホルモンバランスが乱れると内膜が過剰に厚くなり、剥がれ落ちるときの出血量が増えて過多月経になることがあります。
中には子宮体がんの前段階(異型増殖症)となるケースもあり、継続的な診察と管理が必要な疾患です。
その他に考えられる原因
甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)
血液の凝固異常(ごくまれに)
機能性過多月経(ホルモンバランスの乱れによる出血)
経血量が「少ない」と感じる場合に考えられる病気
一回の生理での経血量が20ml未満と極端に少ない場合や、生理が1〜2日程度で終わってしまう状態は、「過少月経(かしょうげっけい)」と呼ばれます。
また、生理周期が39日以上と長く空いてしまう場合は「稀発月経(きはつげっけい)」といい、いずれもホルモンや卵巣機能の変化が関係している可能性があります。
■ 無排卵周期・ホルモンバランスの乱れ
本来、生理は排卵によって子宮内膜が厚くなり、その内膜が剥がれることで起こります。
しかし、排卵が起こらない周期(無排卵周期)では、内膜が十分に育たないため、出血量が少なくなる・日数が短くなるといった変化が起きやすくなります。
とくに10代の思春期や更年期前後は、ホルモンバランスが不安定になりやすいため、無排卵周期による経血量の変化が起こることも少なくありません。
■ 黄体機能不全
排卵後に分泌される「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が十分に働かないことで、子宮内膜の成熟が不十分になり、剥がれ落ちる量が少なくなる=過少月経につながる状態です。
黄体ホルモンが不安定な場合は、生理周期が短くなる(25日未満)、基礎体温の高温期が短いなどの特徴が見られることもあります。
■ 高プロラクチン血症
「プロラクチン」は本来、妊娠中や授乳期に多く分泌されるホルモンですが、何らかの原因で通常より高い値で分泌され続けると、排卵がうまくいかなくなり、生理が極端に少なくなったり止まってしまったりすることがあります。
頭痛や視界のぼやけを伴う場合は、脳下垂体の腫瘍が関与しているケースもあるため、ホルモン検査やMRI検査が行われることもあります。
■ 甲状腺機能の異常(特に低下症)
甲状腺ホルモンは、生殖機能とも深く関わっています。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)では、排卵障害や無月経、経血量の減少が起こることがあり、疲れやすさ、寒がり、むくみなどの全身症状が出ることもあります。
ご本人も気づかないまま月経異常として初めて見つかることもあるため、注意が必要です。
■ 早発卵巣不全(POI:Premature Ovarian Insufficiency)
40歳未満で卵巣機能が低下してしまう状態を指します。
女性ホルモンの分泌が急激に減ることで、月経周期の乱れや経血量の減少、無月経といった症状が現れます。
のぼせやほてりなど、更年期のような症状が若くして現れる場合は、この可能性も疑われます。早期発見・適切な治療により、妊孕性の温存やホルモン補充療法が検討されることもあります。
■ その他に考えられる原因
- 極端なダイエット、激しい運動、強いストレス → 視床下部や下垂体の働きが抑えられ、排卵障害が起きることがあります。
- 経口避妊薬(ピル)の服用 → 子宮内膜の増殖を抑えるため、副作用として経血量が少なくなることがあります。(治療効果の一環でもあります)
経血量だけでなく出血パターンの変化にも注意
経血の量だけでなく、
・生理期間以外に出血がある(不正出血)
・生理がだらだら長引く(過長月経)
・逆に極端に短く終わる(過短月経)
といった出血のパターンの変化も、身体からの大切なサインです。気になる変化が続くときは、婦人科でのご相談をおすすめします。
「これって異常?」と思ったら、婦人科で相談を
いくつかの病気や状態をご紹介しましたが、大切なのは、「おかしいな」と思ったときに、一人で悩 みすぎないことです。
いつ頃から、どのように変化したのか?生理の記録や基礎体温、ナプキンの使用状況などをメモしておくと、受診の際にとても役立ちます。
一般的に婦人科では、症状や経過を詳しくお伺いしたうえで、超音波検査や血液検査などを行い、ホルモンバランスや子宮・卵巣の状態を確認します。必要に応じて、治療や経過観察の方針が決まります。
多くの婦人科疾患は、早めに対処すれば改善が期待できるものばかりです。「いつもと違うな」に気づけたあなたの感覚は、身体からの大切なメッセージかもしれません。どうかその声に耳を傾けて、私たち専門家を頼っていただけると幸いです。


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